マットレス選びが難しいと感じた人に向けて、種類の違いは何なのか、どういう基準で選べばよいのかを分かりやすく解説していきます。
とりあえず口コミで評価が高いから、腰痛対策は硬めが良いと聞いたから、安いからという理由でマットレスを選ぶと、失敗する可能性が高くなります。
じっくり選び方も勉強していきましょう。
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このページでわかること
マットレスの素材&構造の種類11コ
マットレス選びに入る前に、全体像の把握としてマットレスの種類を知りましょう。
マットレスの種類には、素材と構造の掛け合わせで合計11種類あります。
ここでは各種類の特徴をみていき、最後に比較表にまとめています。
まずは各種類の簡単な説明を表にまとめたので、そちらをご覧ください。
各種類の特徴は表のあとで解説していきます。
マットレスの種類 | 特徴 |
スプリングマットレス | |
①ポケットコイル |
独立したコイルによる点で支える働き |
②ポケットコイル(センターハード) |
中央の腰部分が硬めのポケットコイル |
③ボンネルコイル |
連結したコイルによる面で支える働き |
④連結可動式コイル |
コイルの連結部分に可動域が生まれ、面かつ点で支える働き |
ノンスプリングマットレス | |
⑤高反発ウレタン |
反発力の高いスポンジのような素材により体をポンッと支える |
⑥低反発ウレタン |
反発力の低いスポンジのような素材でもっちり体を包んで支える |
⑦高反発(低反発との2層構造) |
低反発で柔らかく沈み込み、高反発でしっかり支える |
⑧高反発(凹凸構造・波型構造) |
デコボコで少し沈み込み、下層でしっかり支える |
⑨高反発(センターハード・ゾーニング) |
背中・脚の部分よりも腰部分が硬めになった高反発 |
⑩高反発ファイバー |
水で濡れても大丈夫なポリエチレン素材 |
⑪高反発ラテックス |
ウレタンよりも反発力のあるラテックス素材 |
種類①ポケットコイル
ポケットコイルは、独立したコイルを垂直に並べたマットレスの種類。「点」で体を支える働きをします。ホテルのベッドでよく使われているのがこの種類です。寝心地が良く、寝返りもしやすく、通気性も良い、耐久性も良い一方、値段が高いのが欠点。お金をかけて睡眠に投資したい人は、このポケットコイルがおすすめ。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□□□■■■■柔 |
値段相場 | 8万円~15万円 |
耐久性 | 5年~20年 |
体圧分散 | ◎ |
寝返り | ◯ |
通気性 | ◯ |
厚さ | 20cm~30cm |
重さ | 18kg~50kg |
代表ブランド |
種類②ポケットコイル(センターハード)
センターハードのポケットコイルは、普通のポケットコイルとは違い、中央の腰部分のコイルを硬めにしたマットレスの種類。主にコイルの線径(線の太さ)を太くすることで硬い感触にしています。腰の沈み込みを抑えるので腰痛対策におすすめのタイプです。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□□□■■■■柔 |
値段相場 | 8万円~15万円 |
耐久性 | 5年~20年 |
体圧分散 | ◎ |
寝返り | ◯ |
通気性 | ◯ |
厚さ | 20cm~30cm |
重さ | 18kg~50kg |
代表ブランド |
種類③ボンネルコイル
ボンネルコイルは、点で支えるポケットコイルとは違い、コイル同士が連結しているマットレスの種類。「面」で支える働きをします。値段は安いですが、寝心地が悪いので、おすすめしていません。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬■■■□□□□柔 |
値段相場 | 1万円~3万円 |
耐久性 | 3年~8年 |
体圧分散 | ✕ |
寝返り | △ |
通気性 | ◎ |
厚さ | 15cm~30cm |
重さ | 15kg~30kg |
代表ブランド | 特になし |
種類④連結可動式コイル
可動式連結コイルは、ボンネルコイルに似た構造ですが、コイル同士の連結部分にゆとりがあるため、ポケットコイルの点で支える働きに近いマットレスの種類。ポケットコイルとボンネルコイルの良いとこどりをした構造です。ポケットコイルと同様、睡眠に投資したい人におすすめ。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□■■■■□□柔 |
値段相場 | 10万円~20万円 |
耐久性 | 5年~20年 |
体圧分散 | ◎ |
寝返り | ◎ |
通気性 | ◎ |
厚さ | 20cm~30cm |
重さ | 18kg~50kg |
代表ブランド |
種類⑤高反発ウレタン
高反発ウレタンは、反発力のあるスポンジのような素材を使用したマットレスの種類。近年人気で、安いのに寝心地が良いのが特徴。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬■■■■□□□柔 |
値段相場 | 3万円~5万円 |
耐久性 | 3年~10年 |
体圧分散 | ◯ |
寝返り | ◎ |
通気性 | △ |
厚さ | 8cm~15cm |
重さ | 8kg~20kg |
代表ブランド |
種類⑥低反発ウレタン
低反発ウレタンは、高反発ウレタンよりは反発力が小さく、しっとり沈み込むマットレスの種類。低反発1枚で使用するより、薄い低反発マットレスを他の寝具の上に重ねて、寝心地を向上させる目的で使用することが多いです。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□□□■■■■柔 |
値段相場 | 2万円~4万円 |
耐久性 | 3年~5年 |
体圧分散 | ◎ |
寝返り | ✕ |
通気性 | ✕ |
厚さ | 3cm~7cm |
重さ | 5kg~10kg |
代表ブランド |
種類⑦高反発(低反発との2層構造)
2層構造の高反発は、上層が低反発、下層が高反発という構造をしたマットレスの種類。適度な沈み込みと、しっかり支える働きをします。高反発マットレスの種類の中でも最近人気となっている構造。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□□■■■■□柔 |
値段相場 | 3万円~8万円 |
耐久性 | 3年~10年 |
体圧分散 | ◎ |
寝返り | ◎ |
通気性 | △ |
厚さ | 8cm~20cm |
重さ | 8kg~20kg |
代表ブランド |
種類⑧高反発(凹凸構造・波型構造)
凹凸構造(プロファイル加工)または波型構造(ウェーヴ加工)の高反発ウレタンは、マットレスの表面3cm~5cm程度がデコボコしたマットレスの種類。1つ前の二層構造同様に、上層が柔らかくなるので、適度に沈み、しっかり下層で支える働きをします。デコボコにより少し通気性がよくなるメリットがあります。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□■■■□□□柔 |
値段相場 | 3万円~5万円 |
耐久性 | 3年~8年 |
体圧分散 | ◯ |
寝返り | ◎ |
通気性 | △ |
厚さ | 8cm~15cm |
重さ | 8kg~20kg |
代表ブランド |
種類⑨高反発(センターハード・ゾーニング)
センターハードまたはゾーニング構造の高反発ウレタンは、腰を支える中央部分が硬めになっているマットレスの種類。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□■■■□□□柔 |
値段相場 | 3万円~5万円 |
耐久性 | 3年~10年 |
体圧分散 | ◯ |
寝返り | ◎ |
通気性 | △ |
厚さ | 8cm~15cm |
重さ | 8kg~20kg |
代表ブランド |
種類⑩高反発ファイバー
高反発ファイバーは、水に弱いウレタンとは違い、水に濡らしても大丈夫な樹脂(主にポリエチレン)素材でできたマットレスの種類。汚れても洗うことができます。寝汗をよくかく人、通気性重視の人、アレルギー持ちの人におすすめな素材。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□■■□□□□柔 |
値段相場 | 2万円~6万円 |
耐久性 | 3年~5年 |
体圧分散 | △ |
寝返り | ◎ |
通気性 | ◎ |
厚さ | 3cm~10cm |
重さ | 10kg~20kg |
代表ブランド |
種類⑪高反発ラテックス
高反発ラテックスは、ウレタンよりも反発力が高いマットレスの種類。高反発ウレタンの上位版とイメージしましょう。ただし、その分値段が高いのと、通気性が少し悪いのがネックで、夏が多湿な日本ではあまり馴染みがありません。購入はおすすめしていません。
比較項目 | 特徴 |
硬さ範囲 | 硬□□□■■■□柔 |
値段相場 | 10万円~20万円 |
耐久性 | 5年~10年 |
体圧分散 | ◯ |
寝返り | ◎ |
通気性 | △ |
厚さ | 10cm~20cm |
重さ | 10kg~30kg |
代表ブランド |
マットレスの種類の違いまとめ【一覧比較表】
ここまで紹介してきたマットレスの種類の違いを、一覧表にして比較しやすくまとめました。
たくさん種類を紹介しましたが、選ぶときにはメジャーで種類も豊富な「ポケットコイル」「可動式連結コイル」「高反発ウレタン(二層構造・凹凸構造を含む)」から選びましょう。
その他には、現在の寝具の寝心地を改善したい人は「低反発ウレタン」、通気性を良くしたい・水で洗うマットレスが欲しい人は「高反発ファイバー」を選ぶのがおすすめ。
「ボンネルコイル」は値段は安いが寝心地が悪く、「ラテックス」は値段は高いが寝心地はそこまでなので、この2つは選ばなくて良いです。
比較項目 | ポケットコイル | ポケットコイル (センターハード) |
ボンネルコイル | 可動式連結コイル | 高反発ウレタン | 低反発 ウレタン |
高反発 二層構造 |
高反発 凹凸構造 |
高反発 センターハード |
高反発 ファイバー |
ラテックス |
イメージ | |||||||||||
硬さ範囲 | 硬□□□■■■■柔 | 硬□□□■■■■柔 | 硬■■■□□□□柔 | 硬□■■■■□□柔 | 硬■■■■□□□柔 | 硬□□□■■■■柔 | 硬□□■■■■□柔 | 硬□■■■□□□柔 | 硬■■■■□□□柔 | 硬□■■□□□□柔 | 硬□□□■■■□柔 |
値段相場 | 8万円~15万円 | 8万円~15万円 | 1万円~3万円 | 10万円~20万円 | 3万円~5万円 | 2万円~4万円 | 3万円~8万円 | 3万円~5万円 | 3万円~5万円 | 2万円~6万円 | 10万円~20万円 |
耐久性 | 5年~15年 | 5年~15年 | 3年~8年 | 5年~15年 | 3年~10年 | 3年~5年 | 3年~10年 | 3年~8年 | 3年~8年 | 3年~5年 | 5年~15年 |
体圧分散 | ◎ | ◎ | ✕ | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ | ◯ | △ | ◯ |
寝返り | ◯ | ◯ | △ | ◎ | ◎ | ✕ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
通気性 | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | △ | ✕ | △ | △ | △ | ◎ | ✕ |
厚さ | 20cm~30cm | 20cm~30cm | 15cm~30cm | 20cm~30cm | 8cm~15cm | 3cm~7cm | 8cm~20cm | 8cm~15cm | 8cm~15cm | 3cm~10cm | 10cm~20cm |
重さ | 18kg~50kg | 18kg~50kg | 15kg~30kg | 18kg~50kg | 8kg~20kg | 5kg~10kg | 8kg~20kg | 8kg~20kg | 8kg~20kg | 10kg~20kg | 10kg~30kg |
代表ブランド | 特になし |
マットレスの種類の選び方
マットレスの選び方は「自分に合った硬さを選ぶこと」が基本です。
①硬さ&構造の選び方:体型(体重)・寝姿勢・体の悩みに応じて
マットレスで重要なのが「自分に合った硬さを選ぶこと」です。
マットレスに横になったときに、立っているときと同じような一直線の姿勢になっていることが理想とされています。
マットレスごとに素材と構造の違いから硬さと沈み込み方が変わります。このことを念頭に入れていないと、とりあえず口コミで人気のマットレスを選んでしまい、自分の硬さに合わずに失敗することが起きます。
ほとんどのサイトは「姿勢が綺麗になるものを選ぶ」といった話だけに留まりますが、ここから具体的な選び方を解説します。
まず、人に合う硬さを「寝姿勢」「性別」「体型」で求めます。
次に、その硬さを持つマットレスを「素材」と「構造」で探します。
この対応表をまとめたのが次の表になります。ここから自分に合ったマットレスの「素材&構造」と「硬さ」を知りましょう。
寝姿勢 | 性別・体型 | 素材&構造 | 硬さ | マットレス例 |
仰向けのみ | 女性 x 痩せ型 |
|
硬□□□□■□□柔 | |
女性 x 普通 男性 x 痩せ型 |
硬□□□■□□□柔 | |||
女性 x やや肥満 男性 x 普通 |
硬□□■□□□□柔 | |||
女性 x 肥満 男性 x やや肥満 |
硬□■□□□□□柔 | |||
男性 x 肥満 | 硬■□□□□□□柔 | |||
横向きのみ or 仰向け&横向き |
女性 x 痩せ型 女性 x 普通 男性 x 痩せ型 |
|
硬□□□□■■□柔 | |
女性 x やや肥満 男性 x 普通 |
硬□□□■■□□柔 | |||
女性 x 肥満 男性 x やや肥満 |
硬□□■■□□□柔 | |||
男性 x 肥満 | 硬□■■□□□□柔 | |||
うつ伏せのみ | 痩せ型 |
|
硬□□□■□□□柔 | |
普通 | 硬□□■□□□□柔 | |||
やや肥満 | 硬□■□□□□□柔 | |||
肥満 | 硬■□□□□□□柔 |
上記に加えて、腰痛・肩こり・猫背といった体の悩みごとに、多少硬さの選び方を変える必要があります。下記を参考に、自分に合う硬さレベルを変えましょう。
悩み | 寝姿勢 | 硬さの調節 |
腰痛 | 仰向けのみ 横向き&仰向け |
1段階硬く |
横向きのみ うつ伏せ |
変更なし | |
肩こり | 横向きのみ 横向き&仰向け |
1段階柔らかく |
仰向けのみ うつ伏せ |
変更なし | |
猫背 | 仰向けのみ | 1段階柔らかく |
横向きのみ 横向き&仰向け うつ伏せ |
変更なし |
②機能性&サービスの有無を選ぶ
マットレスは寝心地以外の条件で選ぶこともあります。
ニーズ | 機能性 |
|
|
|
|
|
③厚さの選び方:使い方に応じて
マットレスの厚さには3cm〜30cmと、かなり幅があり、何cmの厚さを選べばよいか迷いがちです。
ベッドフレームの上に置いて寝るなら厚さ10cm以上、床に敷くなら底付き感なく通気性も考慮して8cm〜15cm、現在の寝具の寝心地を向上させる目的なら3cm〜6cmを選びましょう。
使い方 | 厚さ |
ベッドの上で使う (ベッドマットレス) |
|
床に直接敷く (敷布団タイプ) |
|
寝具に重ねる (トッパー) |
|
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